民藝運動の中心を担った作家の一人であり、型絵染を生み出した芹沢銈介。
楽土庵には、アメリカで展示された大型の屏風や型絵染の聖観音像、珍しいコラージュの板絵などを季節ごとに展示します。

芹沢 銈介（1895-1984）
染色家、重要無形文化財保持者（人間国宝）。
静岡県静岡市生まれ。
1916年、東京高等工業学校図案科を卒業。
1927年、柳宗悦の『工藝の道』を読んで深い感銘を受け、さらに翌年、沖縄の紅型の美しさに強い衝撃を受けて、染色家になることを決意する。
紅型と和染に学び、図案・型彫り・染めまでを一貫して行う「型絵染」の技法を生み出し、明るい色調と明快な文様を特徴とする作品を数多く生み出した。
柳宗悦の依頼により1931年創刊の雑誌『工藝』の装幀を手がけることで、染色作家として民藝運動に本格的に参加するようになる。
日本民藝館では、着物、帯地、屏風、のれんなど約200点の作品を所蔵している。
また、生活を美しく彩る工芸を目指した芹沢の仕事はさまざまな分野に展開され、『民藝四十年』『蒐集物語』など柳の著作の装幀、
「絵本どんきほうて」などの絵本類、柳宗悦邸の客間に用いられた小襖等、様々な作品が収蔵されている。
郷里の静岡市に「静岡市立芹沢銈介美術館」があり、宮城県仙台市には「東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館」がある。